2023/02/18 20:08


ミネラルとは、「一般的な有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の必須元素。蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミンと並び五大栄養素の1つ。日本では13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められている。 すべての要素は適度な量を摂ることが良く、欠乏症だけでなく過剰摂取も病気の原因ともなる。ミネラルは人の体内で作ることはできないため、毎日の食事からとる必要がある。」(Wikipediaより)

 

人にとっても重要ですが、土壌の微生物にとっても、野菜の成長にとっても、とても重要なものです。

そして、現代人のミネラル不足は、野菜のミネラル不足と結びついています。

 

 

【野菜もミネラルが大事】

作物について学ぶと、ミネラルは作物の生長にとって、とても必要不可欠なものだと理解できます。

 

トマトを例に挙げると、

カルシウム不足・・・実の先端が黒ずむ(尻腐れ)、生長点や若い葉が枯れる(芯枯れ)、植物体が軟弱になる

マグネシウム不足・・・(葉緑素が合成できないため)葉が黄化し、光合成不良になる

鉄不足・・・生長点が黄化する

などの欠乏症の症状があります。

 

ちなみに人間の場合、

カルシウム不足・・・骨粗しょう症、高血圧、動脈硬化

マグネシウム不足・・・骨粗しょう症、心疾患、下痢

鉄不足・・・貧血、冷え性、免疫力の低下

などを引き起こします。

 

人間と同じように作物もミネラルが不足するときちんと育ちません。

面白い(難しい)のは、単にミネラルを肥料として与えても、ミネラルバランスが悪かったり、水が不足したり、土壌の微生物がいなかったりすると、作物はミネラルを摂取できません。

 

農業の世界では作物ごとに施肥基準があり、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)については、必要量が示されていますが、そのほかのミネラルについては、あまり詳しく示されていません。

(昔の畑は多様性があり、ミネラルが豊富だったためと思われます)

近代農業の発展(農薬・化学肥料・除草代の多用、単一作物の作付)で、畑の多様性(微生物・植物)、土壌のミネラルバランスが崩れ、作物が上手くミネラルが取れない状況になっています。

 

「ミネラルいっぱいの野菜をつくるために、ミネラルいっぱい、微生物いっぱいの畑をつくる!」と、私たちは頑張っています。

 

 

【野菜で健康に】

「野菜のミネラル不足は、現代人のミネラル不足に直結しているのでは?」と感じています。

有機農業や自然栽培に取り組んでいる農家、農学者などの本を読んだりすると、チラホラそんな話が出てきます。

「鉄分を与えて育てた野菜(甘くなるそうです)を食べて貧血が治った」という話も聞きます。

 

「多収量で高品質(規格がそろって見た目がいい)な野菜」をつくるために、「ミネラルいっぱいの栄養のある美味しい野菜」がなくなってしまったのではないでしょうか。

化学肥料を使ったことで、簡単に栄養を吸収できるようになり、野菜は自ら栄養を吸収する努力をしなくなったそうです。

 

現代では、人に「サプリ」が必要なように、野菜にも「ミネラル肥料」が必要です。

そして、ミネラルの天然肥料を与え、畑の植物を多様化し、微生物を増やし、本来の力を取り戻した健康な植物体から、ミネラルいっぱいの野菜をつくることが私たちの目標です。

 

ミネラルたっぷりの野菜を食べれば、人のミネラル不足もなくなるのではないかと考えています。

「おいしい野菜」をつくることで、食べた人の健康にも貢献出来たら、素晴らしいことだと思います。

 

 

【海をきれいに】

畑の環境を良くすることは、海をきれいにすることでもあります。

化学肥料・農薬・除草剤の使用は土壌汚染につながり、成分が流出しやすく、最終的に海に流れていき、海洋汚染にもつながります。

(農業によるチッソやリンが赤潮の原因の1つに挙げられています)

 

有機肥料・ミネラル肥料を使うことで、土を豊かにするとともに、流れ出たミネラルは、海洋生物を育てます。

(化学肥料と同じように多用すれば汚染につながります)

 

私たちは、肥料に海藻肥料やカキ殻を使用しています。

海からもらった恵みは最上川を通じて、海に還していると感じています。

 

「土を豊かにすることで、海をきれいにすることもできる」

 

ステキなことだと思いませんか?

 

 

次回は「肥料」について書きたいと思います。