2023/02/11 19:44
土の中には、多くの微生物がいます。
1グラムの土壌の中には1億個以上の微生物がいるらしいです。
細菌、放線菌、糸状菌、藻類などなど。
実際に特定されているのは、数%とも言われています。
未知の世界ですね。
私たちは、美味しい野菜をつくるためには、これらの微生物の力が不可欠だと思っています。
本来、土の中では植物にとって、有用な・多種多様な微生物の状態が保たれていたはずです。
しかしながら、近代的な農業の発展(農薬・化学肥料・除草剤・土壌消毒)などで、微生物がほとんどいない土壌も増えているそうです。
私たちが微生物にこだわるのも、畑の土を「生きた土」に変えたいからです。
【畑の土=腸】
農業について勉強していくうちに、「野菜にとって畑の土」=「人間にとっての腸」だ!
と発見しました。すごい発見です!
(と思いましたが、すでに言われていることでした・・・)
人間は、腸内環境を良くしないと、免疫力が下がったり、睡眠不足になったり、肥満になったり、健康的な生活を送るのが難しくなります。
野菜も同じで、土壌の環境が良くないと、病気になったり、生育が悪くなったりします。
人間は、腸内環境を良くするために、ヨーグルトを取ったり、食物繊維をとったりします。
畑も同じで、土壌環境を良くするために、微生物(乳酸菌・酵母など)を撒いたり、緑肥(繊維質)をすき込んだりします。
「畑の土」=「腸」と考えると、土づくりがさらに面白くなりました。
黒川ミニマルズでは、「畑の腸内フローラ」を整えるために、さまざまな菌を使用しています。
「土壌環境」を良くし、健康な野菜を育てます!
【微生物】
私たちは、土の環境を良くするために、乳酸菌と酵母菌、光合成細菌を定期的に散布しました。
カビによるミニトマトの病気を予防するために散布した「納豆菌」の効果もあるかと思いますが、
去年、私たちのミニトマトにはほとんど病気が出ませんでした。
乳酸菌・・・有機物の分解力を高める。根張りを良くする。
酵母菌・・・植物の根と共生し、ビタミンを供給する。土の団粒構造にする。
光合成細菌・・・空気中の窒素を固定する。植物にアミノ酸を供給する。
などの効果があると言われています。
人間の摂るサプリのようなものでしょうか。
もともとは土壌に豊富にあったはずの微生物が、近代化した農業の弊害で少なくなって(なくなって)しまいました。
有用菌を増やし、微生物のバランスを整えるために、今年も種類を変えて散布するつもりです。
【緑肥】※肥料として栽培する作物以外の草
土壌の微生物を増やすために、緑肥はとても重要です。
昨年、私たちは緑肥としてヘアリーベッチと大麦を撒きました。
ヘアリーベッチ・・・マメ科。空気中の窒素の固定化。雑草予防。
大麦・・・イネ科。炭素(繊維質)の補給。雑草予防。
と、土壌流出防止を狙って畑に種を蒔きました。
最近、『土を育てる』(ゲイブ・ブラウン/著・服部雄一郎/訳)を読み、カバークロップ(緑肥)の重要性を再認識しました。
そして、「私たちの方向性は合っていた」ということ、「私たちはまだまだ」ということを同時に再認識しました。
カバークロップを植えることで、土の中に「生きた根」を持たせることで、土壌微生物の住処を与え、飛躍的に土を良くすることが出来たそうです。
この本を読んで、いろいろアイデアが浮かびました。
今年、試してみます。
「カバークロップ」や「リジェネラティブ農業(環境再生型農業)」について詳しく知りたい方は『土を育てる』、是非読んでください。
黒川ミニマルズにとっては、この冬一番の収穫でした。
将来的には、私たちの野菜に天然の酵母や乳酸菌などが含まれ、
食べるだけで、栄養と一緒に体にいい菌も摂取できるような野菜をつくりたい。
「私たちのミニトマトを食べればサプリは要りません」
と、いつか言えるようになりたいです。
次回は「ミネラル」について書こうと思います。